そんな努力の甲斐があり、生徒の能力が徐々に上がり、テストで良い点をとったり、目標校に合格していく生徒が増えてきました。
そんな生徒達を見ていると、素直に嬉しい気持ちになる自分がそこにはいて、もっとたくさんの生徒の能力を、あげたいという気持ちが日々強くなって行きました。
大学３年生になったある日、そんな順風満帆な講師生活をしている私に突然、今まで考えたことがなっかた疑問が浮かび上がります。
それは、「子供たちが抱えている問題の根本的な解決を俺はできていないんじゃないか？」というもの。「子供達が塾に通って、目標校に合格したり、テストの点数が上がることは確かにとても大事なこと。
その期間だけ切り取って見れば、それが求められる答えで正解なのかもしれない。
ただそれは、表面的な解決をしているだけで、その子達の将来に繋がる根本的な解決には、あまりなっていないんじゃないか。
この先、塾を卒業し、進学して、社会人になってからもまた塾やそういうモノに頼ってばかりいたら、いつまでたっても生徒達は自分の力で物事を成すことができないんじゃないか。
そうならないような、方法を勉強を通して教えることが一番の解決方法であり、私達教育者が教えることではないのだろうか。」そう考えました。
そんな考えを当時の塾長に熱く伝えたところ、「君は黙って、生徒の成績をあげたら良いんだ」と、無惨に一蹴されとてもショックを受けました。
その後、アルバイト終わりに、夜中の公園のブランコに座りながら後輩の講師に愚痴をこぼしたあの日のことを、今でも鮮明に覚えています。
そんな考えを持ち、後輩に大口を叩いていた私ですが、所詮まだまだ未熟な学生でそこから何もアクションを起こすことはなく時間だけがただ過ぎていきました。
「根本的な解決を勉強を通じて教えたい！」という考えを持っていた私でしたが、結局、教育者の道に進むことへの重責と怖さから、それらしい言い訳を並べて逃げていきました。そして、就職活動をして民間企業に就職することになりました。
その民間企業は、とても良い所で周りの方々も優しい人ばかりで、毎日がとても楽しく、充実したサラリーマン生活でした。プライベートでも、ありがたいことに恋愛結婚をし、2人の子宝にも恵まれました。安定した収入と幸せな家族を持ち、普通の生活をしていた私でした。
そんなある日、ふとラジオから聞こえてきた大学生のスピーチに人生を変えられます。
それは、将来の夢についてのスピーチで、その大学生は教育者を目指し、自分には理想の教育があるということを語るもの。
彼は、熱くとてもエネルギッシュに、ラジオ越しでも伝わってくるぐらいに力をみなぎらせ、語っていました。なんの気なしにラジオを聞いていた私でしたが、気がつくとその大学生のスピーチに心が釘付けになり、かつての夢を持ち一時はそこへ全力で突き進んでいた。けれども、その壁の高さから逃げ出してしまった自分と、照らし合わせながら聞き入る自分がそこにいました。
そのスピーチが終了してから、さくら学習塾を開校するまでに長い年月は要しませんでした。
私の人生の恩師。そう呼んでも過言ではないその青年に、あのスピーチを聞いた瞬間から今日に至るまで心から感謝しています。
そんなストーリーがあり、昔の夢が実現してからおかげさまで15年になります。そんなさくら学習塾で活用しているオリジナルのカリキュラムは大変好評で、卒業した生徒達からも「カリキュラムのおかげで色んな場面で計画を立てて、実行し応用できている！」という声をいただいています。
私の教育者としての想いが、1人でも多くの子供たちに届けばと思います。
